オーロラ撮影に成功しました!
今回はPCとネットを旅づくりにどう活用したかをご紹介する予定でしたが、前回「見られるかどうか」と心配していたオーロラが、最後の4日目の晩、ついに大きく出現してくれたので、それを先にご報告します。
三脚を立て、1分おきに撮影したものを動画仕立てにしてみました。ちょっと短いですが、オーロラが動く様子をつかんでいただけると思います。
実際に肉眼では、こんなに鮮やかな緑色には見えません。新月前後の日を選んでいたので、真っ暗な空に(無数の星は見えていますが)、うっすら霧のようなものが広がってきました。最初は霞がかかってきたのかと思ったのですが、ここはユーコンの原野。霞が反射するような光は地上からは出ていません。霞そのものが発光しているんです!
光の霞は次第にブワッブワッとまるで呼吸をしているように膨らんだりしぼんだりを繰り返しながら、天頂のあたりまで覆ってきました。地平線に近いあたりでは肉眼でも強い明るさを感じる縦筋の光が現れては移動して消え、また違うところに現れて……の繰り返しをしています。
ほんとうに生き物のような、という表現がぴったりの動き。オーロラは太陽から吹き出すエネルギーが地球にぶつかる様子が光になっているものだから、太陽の息づかいを見ているようなもの。地球をひとつの生命体にたとえることはよくありますが、太陽も、太陽系もひとつの命なのかもしれないなぁと思わされます。
そして、見たことがないほどの無数の星! 目を凝らせば凝らすほど、空に隙間がないのではないかと思うほど、いろいろな色合いの光の点がビッシリと並んでいます。これが、日本で見るよりもずっと高い、見上げると首が痛くなるような高さにある北極星を中心にゆっくりと回っていくのも見られました。動画でも星の動く様子が見られると思います。
オーロラの表れ方は千差万別だそうなので、これはあくまでも私たちが見たオーロラの話です。この数年は太陽の活動が静かなので、オーロラもかなり静かなのだとか。そのなかでここまで見られたのはラッキーだったのかもしれません。
もうユーコンを離れ、東京とそれほど変わらないバンクーバーに戻り、次はいつオーロラを見られるだろうと思っています。ただ美しいから見たいというよりも、あの自然の中で、人間にとって住みやすい温度でもない氷点下何十度という気温の中で、宇宙という雄大なものに思いを馳せる、その体験がとても貴重なもののように感じられるからでしょうか。